2018年度 #センター試験 数学の感想
問題は ↓
過去3年間分の試験問題|大学入試センター
(※ 2018年1月15日時点では2018年度の問題はアップされていませんので,
NIKKEIへのリンク↓を参照してください
IA http://nyushi.nikkei.co.jp/center/18/2/exam/2260.pdf
IIB http://nyushi.nikkei.co.jp/center/18/2/exam/2560.pdf
)
数学IA
第1問
〔1〕最初はについて展開すると多少楽
〔2〕(d)はに注意してベン図を利用する
〔3〕軸の位置で場合分けして最小値を求める典型問題
ちょっと計算や作業が多いかもしれませんが,
内容はセンター試験としてはオーソドックス.
第2問
〔1〕三角形ABCの中の話は公式のみなので易しい.
台形ができる条件は,問題の意味(AB はAとBCとの距離)が分かったか.
また,BDを求めるところはに気付いたか.
それぞれポイントがあってやや難しい.
〔2〕(1)(2)は読み取りだけなので易しい.(2)のはBMIですね.
モンダイは(3)で,一般の個で共分散を考える.
一般の$ n $個という出題は2017年度追試験などでも出ているが,解ける受験生は稀なので壊滅と思われます.数Bで処理すれば(として)
と短く書けるのですが.
第3問(確率)
(1)(2)は易しい.
(3)は事象の独立・従属を考察させる問題かと思いきや,そうではなくて(4)のためのサポートのようです.
(4)の「A,B,Cがちょうど1回ずつ起こる」はBとCが同時には起こらないことに注意して考察します.入試問題としては難しくないものの,ここだけぐんとレベルが上がるので心の準備が出来ていないと戸惑うかも.計算は分母をのまま進めたほうが吉.
第4問(整数)
(1)(2)は典型問題で易しい.
(2)はユークリッドの互除法を使っても
(mod 7) でも.
(3)はと書いたうえで
に小さい順に非負整数を当てはめてしらみつぶしに探していくのが現実的でしょうか.
第5問(図形)
作業量,計算量とも少な目です.(コ)はをそれぞれ求めて大小比較するとよいでしょうか. (シ)(ス)はメネラウスの定理を用います.この辺りはハマる人もいるかもしれません.(タ)は使うべき事実が問題文に書かれており,親切.
なお,点Dが三角形ABFの内心になるというのは,一般の直角三角形ABCで成り立つ性質です.
図形的考察につっかえるようなら,平面上で
A(0,0),B(2,0),C(0,1)と座標設定すると,
淡々とした計算作業で殆ど解けます.
この場合,Eを求めるところは円を持ち出すより,
加法定理を使って直線DEの傾きをと求めたほうが楽でしょう.
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数学II B
第1問
〔1〕〔2〕とも特に引っかかる場面はない・・・のが理想ですが,
現実的には〔1〕(1)で慌てた受験生は少なくないでしょうし,
〔2〕後半の絶対不等式の処理も,苦手な人は多い.
第2問(微積分)
〔1〕(2)のは
とするのがよいでしょう.が因数と見えていないと,
(2)の後半は手間取りそう.
〔2〕は微分方程式的な問題ですが,数学の中身は易しい.
問題文が読めるかどうか.
第3問(数列)
上手く誘導されていますが,(3)の計算はズレやすい.
などを代入して,合致しているかチェックしながら
解き進めましょう.
第4問(ベクトル)
登場する文字の数が多いので,特に(3)(4)の計算で
苦労した受験生も多いのでは.
内容は易しい.
なお,直交条件を問われないのは珍しいかも.
第5問(統計)
配点が1点,2点の問題ばかりですが,殆どが秒で解ける問題
なので易しい.(ク)(ケ)は確率が苦手だと引っかかるかも?
少なくとも,第3問,第4問に比べると楽なのは例年通りです.
数Bは統計が一番お買い得
(という表現が適切かはともかく)な傾向は今後も続くでしょう.
文理を問わず,大学に入ってから統計の基礎が必要になる分野は
幅広いです.その意味でも,
数Bの統計は勉強しておいた方が望ましいです.
教科書と過去問で,センターレベルは十分に独学できるでしょうし.
なお,昭和大・医,大阪歯科大,青山学院大・経済(A)のように
統計を出題範囲としていて,実際に出題している大学もあります.
それらの大学・学部を受験する際にも,センターの過去問は有意義でしょう.